ウッドショックのさなかに契約しましたが、資材の高騰を理由にした追加請求は0円でした。
いま起きているナフサショックは、原因も対象も違います。
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建材が値上がりしている、というニュースを見かけます。
ナフサショックと呼ばれているものです。
いま契約して大丈夫なのか、と不安になります。
私が契約したのは2021年6月で、ウッドショックのまっただ中でした。
- ウッドショックで追加請求されたかどうか
- 契約書に書かれていた値上げの条項
- ナフサショックで何が何%上がったか
- ウッドショックとの3つの違い
- この記録で言えないこと
【結論】ウッドショックの追加請求は0円
資材の高騰を理由にした追加請求は、1円もありませんでした。
契約したのは2021年6月です。
家が完成して入居したのは、その1年半後でした。
木材が高騰していた時期を、まるごとまたいでいます。
| 時期 | 我が家に起きたこと |
|---|---|
| 2021年6月 | 契約。以後、坪単価の値上げはなし |
| 2022年4月 | 営業に確認。値上げは「ない」との回答 |
| 2022年12月 | 完成・入居。資材高騰による追加請求は0円 |
契約時の見積書の中身は初回面談時の見積もりと坪単価に載せています。
ロコズ結果として何も起きなかったのですが、当時はずっと落ち着きませんでした。
営業の「絶対にない」と契約書の食い違い
営業の回答と、契約書の記載が食い違っていました。
同じ時期、会社の同僚が地元の工務店と契約していました。
着工の直前に、木材の高騰を理由として追加費用を知らされたそうです。
金額はおよそ50万円と聞いています。
他人事に思えず、私も営業に聞きました。
返ってきたのは「値上がり分を施主に請求することは絶対にない」という答えです。
ところが、同じ営業から続けてこう聞かされました。
契約書には「木材が高騰した場合は、契約後に値上がりします」という趣旨の条項が入っている、という説明でした。ウッドショックという言葉こそ使われていないものの、資材の高騰を理由に請求できる形にはなっている、ということです。口頭の「絶対にない」と、契約書の記載は同じではありませんでした。
私はこの条項について、営業に具体的な説明を求めて回答をもらっています。
結果として請求は起きませんでしたが、条項そのものは契約書に残ったままです。
私の考察です。営業の「絶対にない」は、その時点の会社の方針としては本当だったのだと思います。ただ、方針は変えられますが、契約書は変えられません。安心の根拠を口頭の説明に置くと、あとで確かめる手段がなくなります。


ナフサショックの原因はホルムズ海峡
今回の値上げの発端は、中東の情勢です。
ナフサ = 原油から作られる、プラスチックのもとになる原料です。
信越化学工業が2026年4月に公表した資料に、理由が書かれています。
「現在、イランによるホルムズ海峡の封鎖が続いており、解除の見通しが立たない状況にあります。これに伴い、塩化ビニル樹脂の原料であるエチレン価格の高騰が続いております」(信越化学工業「塩化ビニル樹脂の値上げについて」2026年4月20日)
木材が足りなくなったウッドショックとは、出発点が違います。
信越化学は塩ビ樹脂を年内2回値上げ
塩ビ樹脂は、2026年に入って2度値上げされています。
1回目は2026年4月1日に実施されました。
次の改定は同年5月11日の納入分からでした。
値上げ幅は1kgあたり30円以上でした。
同じ資料に、値上げに至った経緯も書かれています。「原料価格の上昇を吸収するため、継続して徹底的なコスト削減に努めておりますが、この度の原料価格の上昇は企業努力の限界をはるかに超える状況が続いております」。1回の改定で収まらず、同じ年に2度お願いする形になった、という説明です。
塩ビ樹脂は、住宅では配管や樹脂サッシの材料になります。
積水化学の塩ビ管は12%以上の改定
塩ビ管は12%以上、カラーパイプは30%以上の値上げでした。


積水化学工業も、続けて2度の発表をしています。
配管の改定は5月7日の出荷分からです。
雨といなど建材の改定は5月20日の出荷分からでした。
理由の書き方は、信越化学工業のものと同じ向きでした。
「中東地域の情勢不安により石油・ナフサに由来する塩化ビニル・ポリエチレン原料の調達環境が急速に悪化し、それに伴い原料価格並びにエネルギーコスト等も急騰しております」(積水化学工業の価格改定リリースより)。なお各社の発表はいずれも「◯%以上」という書き方で、上限は示されていません。グラフに並べたのはその下限値です。
原料40%と住宅価格の値上げ率の違い
原料が40%上がっても、家が40%高くなるわけではありません。
「塩ビが40%値上がりした」という書き方をよく見かけます。
これは樹脂の原料そのものが上がった割合です。
家1棟の金額に占める配管の割合は、それよりずっと小さくなります。
資材単体の改定率を、そのまま住宅価格の上昇率として読まないでください。1棟の見積書のうち、その資材が占める金額の割合をかけないと、実際の影響は出ません。私はその割合を持っていないので、家が何%高くなるかは書けません。
では実際にいくら上がるのか。
それは自分の条件で見積書を取らないと分かりません。
ウッドショックとの3つの違い
原因・対象・我が家への影響の3点が違います。
| 論点 | ウッドショック | ナフサショック |
|---|---|---|
| 原因 | 木材の需給のひっ迫 | ホルムズ海峡の封鎖によるエチレン価格の高騰 |
| 対象 | 主に木材 | 配管・雨とい・デッキ材など石油由来の建材 |
| 我が家 | 追加請求0円・入居も遅れず | これから建てる人の話。私は経験していない |
木材は住宅の一部ですが、石油由来の建材は家中に散らばっています。
配管も、雨といも、樹脂サッシも同じ原料をたどります。
そのぶん、影響がどこに出るかが読みにくくなります。
そして値上げへの対応は、会社によって違います。
私が聞いたときも、営業は「中堅で値上げがないと言い切るのはうちくらい」と話していました。
給湯器で隣の家が入居できなかった話
我が家は遅れませんでしたが、隣は設備待ちで入居できませんでした。
2022年当時は、木材とは別に半導体の不足がありました。
給湯器が入ってこない、という話を営業から聞いています。
本体はあってもリモコンが無い、という状況もあったそうです。
同じハウスメーカーで建てていた隣のブロックの家は、給湯器のせいで入居できていませんでした。
我が家の入居時期は、結果として遅れていません。
値上げの話ばかりが目に入りますが、実際に生活を狂わせるのは納期のほうかもしれません。


公式で確認できなかった値上げ情報
調べても、メーカー公式で裏が取れなかった数字があります。
この記事で数字を書いたのは、公式の発表を直接読めたものだけです。
- 硬質ウレタンフォームの断熱材。大幅に上がったという記述を複数見ましたが、メーカーの公式発表には見つけられませんでした
- ロックウール。値上げがあったという記述はありますが、公式の発表を確認できていません
- サッシメーカーの改定。ニュースリリースのページを読み取れず、率も時期も確認できませんでした
- 業界紙の一覧。日経クロステックが2026年7月27日に主要メーカーの価格改定一覧を報じていますが、有料会員限定で本文を読めていません
確認できなかったものは、この記事に数字を書いていません。
我が家1棟・2022年完成という限界
ここから先は注記なので、急ぐ方は次の見出しまで飛ばして構いません。
- 我が家1棟の記録です。2021年6月契約・2022年12月入居で、施工はアイ工務店です
- 追加請求が0円だったのは我が家の契約での話です。会社と契約の内容によって変わります
- 同僚のおよそ50万円は本人から聞いた話です。私が契約書や請求書を見たわけではありません
- メーカーの改定率は資材単体のものです。住宅価格が何%上がるかは、この記事では出せません
- 「◯%以上」の下限値を並べています。実際の改定幅はこれより大きい可能性があります
- いつまで続くかは分かりません。私は見通しを持っておらず、予想も書きません
2021年と現在で建設費がどれだけ動いたかは、国の統計で別に整理しています。フラット35利用者調査の建設費と、建設工事費デフレーターを使ったものが同じ「付帯工事」が121万円と475万円にあります。この記事の数字とは出所も定義も違うので、足したり比べたりはできません。
値上げ条項を契約前に確認する3つ
契約前に見ておくと、あとで慌てずに済みます。
- 契約書に値上げの条項があるか。あるなら、どんなときに発動するのかまで聞きます
- 口頭の説明と契約書の記載が一致しているか。我が家の場合は食い違っていました
- 納期が延びたときの扱い。値上げより先に、こちらが生活に効いてきます
私の周りで聞く範囲では、最近は契約後でも値上げできる契約が増えているようです。
ただし私が中身を確かめたのは我が家の契約書だけなので、どれくらい増えているかは分かりません。
会社によって対応が違うのなら、値上げに怯えずに家づくりに集中できる会社を探す、という選び方もあると思います。


ナフサショックでよくある質問
- ナフサショックで家はいくら高くなりますか
-
この記事では出せません。メーカーが公表しているのは資材単体の改定率で、1棟の見積書にその資材が占める割合をかけないと実際の影響は出ないためです。自分の条件で見積書を取るのが確実です。
- 契約したあとに値上げされることはありますか
-
我が家では起きませんでした。ただし契約書には、資材が高騰した場合に値上げできる趣旨の条項が入っていました。会社と契約の内容によって変わるので、契約書を自分で確認してください。
- ナフサショックはいつまで続きますか
-
分かりません。私は見通しを持っていないので、予想は書きません。信越化学工業は2026年に2度の改定を実施しており、収まったとは言えない状況です。
- 値上がりするのはどんな建材ですか
-
公式の発表で確認できたのは、塩化ビニル管・継手・バルブ・ポリエチレン管・雨とい・波板・カラーパイプ・塩ビデッキ材、そしてキッチンと水栓金具です。いずれも石油由来の原料をたどる製品です。
- 値上がりが落ち着くまで待つべきですか
-
私は判断材料を持っていないので、待つべきとも急ぐべきとも書けません。書けるのは、我が家がウッドショックのさなかに契約して追加請求が0円だったという記録だけです。
建材値上げと契約後の請求のまとめ
ウッドショックのさなかに契約しましたが、追加請求は0円でした。
- 2021年6月に契約し、資材高騰による追加請求は1円もなかった
- 営業は「絶対にない」と答えたが、契約書には値上げの条項があった
- ナフサショックの発端はホルムズ海峡の封鎖で、木材不足とは出発点が違う
- 信越化学工業は2026年に塩ビ樹脂を2度値上げした
- 積水化学工業の改定は品目で5%以上から30%以上まで開いた
- 資材の改定率は、そのまま住宅価格の上昇率にはならない
- 値上げより先に納期が生活に効く。隣の家は給湯器で入居できなかった
4年前の私にできたのは、契約書を確かめて、聞いて、記録しておくことだけでした。
それでも、複数社に同じ条件で聞いていなければ、比べようがありませんでした。
出典一覧
- 信越化学工業株式会社「塩化ビニル樹脂の値上げについて」2026年4月20日発表(2026年8月21日取得)
- 積水化学工業株式会社「塩化ビニル管・ポリエチレン管および関連製品の価格改定について」2026年4月2日発表(2026年8月21日取得)
- 積水化学工業株式会社「建材製品群の価格改定について」2026年4月14日発表(2026年8月21日取得)
- 株式会社LIXIL「建材・設備機器のメーカー希望小売価格の一部改定について」2025年11月7日発表(2026年8月19日取得)
- 契約の時期・追加請求の有無・入居時期は、我が家の記録より
- 営業とのやり取りと同僚の事例は、rocoz.jp の契約後の値上げを聞いた記事と2022年4月時点の記事より
