同じ「付帯工事」という項目が、3社の見積書で121万円と475万円に開きました。
金額の差ではなく、項目そのものが違っていたためです。
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ハウスメーカーの見積書が数社ぶん手元に集まると、次にやりたくなるのは横に並べることです。
私もそうしました。しかし、並べた瞬間に手が止まりました。
会社ごとに項目の名前が違い、同じ名前でも入っているものが違ったからです。
私が7社から受け取った見積書のうち、内訳まで手元に残っている3社ぶんを、項目ごとに並べ直しました。
- 3社の見積書に並んだ付帯工事の実額と、その中身
- 同じ「申請費」が2倍以上ちがった理由
- 本体価格にオプションを足していた会社と、足していなかった会社
- 2021年の見積書を、いまの相場として読めない理由
- 見積書をもらったあとに自分でやる並べ直しの手順
【結論】同じ「付帯工事」が121万円と475万円
付帯工事の金額は、会社によって121万円から475万円まで開きました。

| 会社 | 付帯工事 | 延床面積 |
|---|---|---|
| ユニバーサルホーム | 475.0万円 | 45坪 |
| アイ工務店 | 208.9万円 | 41.3坪 |
| タマホーム | 121.0万円 | 44.2坪 |
面積は41.3坪から45坪の範囲に収まっています。
それでも付帯工事の金額がこれだけ開いたのは、袋に入れている項目が会社ごとに違うからでした。
ユニバーサルホームは、確認申請の費用100万円を付帯工事の中に入れていました。アイ工務店は同じ費用を「諸費用」という別の区分に置いていました。
ロコズ金額を比べる前に、まず名前の意味を揃えないと話が始まりませんでした。
トヨタホームとレオハウスからも見積書を受け取っていますが、付帯工事の内訳が手元の記録に残っていません。この記事で内訳を並べるのは、区分ごとの金額が公開記事に残っている3社ぶんです。5社の建物本体価格そのものは7社見て比較に効いたのは5社にまとめています。
3社の見積書でそろわなかった4項目
そろわなかったのは、付帯工事・申請費・管理費・オプションの4つでした。
付帯工事 ─ 屋外給排水だけが共通
3社に共通していた項目は、屋外給排水だけでした。
屋外給排水 = 敷地の中で水道管を引き回す工事です。道路から建物までの距離で金額が変わります。
アイ工務店は72.0万円、ユニバーサルホームは90.0万円でした。
ユニバーサルホームの付帯工事には、地盤改良70万円と残土処理28万円も入っていました。
アイ工務店の見積書に入っていたのは、地盤改良の工事費ではなく地盤改良管理費11万円でした。
申請費 ─ 47.8万円と100万円
設計料を含まない申請費だけを取り出すと、2社で2倍以上ちがいました。
アイ工務店は47.8万円でした。
長期優良住宅と補助金の申請費35.0万円に、建物確認申請の代行費12.8万円を足した金額です。
ユニバーサルホームは「確認申請・各種申請」で100万円でした。こちらに設計料は含まれていません。
つまり同じ範囲の費用で、52.2万円の差がありました。
私の考察です。申請費は成果物が見えにくく、高いのか安いのか判断しづらい項目でした。それでも2社を並べたことで、100万円という金額に説明を求める気になりました。
タマホームは「設計・申請費用」で85.0万円でしたが、こちらには設計料が入っています。アイ工務店は設計料64.1万円を別に立てていたため、同じ土俵では比べられませんでした。
管理費 ─ 3社とも呼び名が違う
工事を管理する費用は、3社とも名前も金額も違いました。
- ユニバーサルホーム「品質管理費」187.0万円。付帯工事の中でいちばん大きい項目でした
- アイ工務店「管理諸経費」61.5万円と「安全管理費」5.0万円。合わせて66.5万円です
- タマホーム付帯工事の中に管理費という項目はありませんでした
タマホームの見積書には「その他費用」236.0万円という区分がありましたが、中身は書かれていませんでした。
「その他費用」236.0万円が管理費にあたるかどうかは、見積書からは分かりません。名前が違うものを同じ役割だと決めつけると、比較そのものが崩れます。
オプション ─ 本体価格に足した2社
タマホームとユニバーサルホームは、オプション費用を建物本体価格に足して提示していました。
タマホームの本体1,669万円には、オプション215万円が足されていました。
合計した1,884万円が、本体価格として提示されています。
ユニバーサルホームは、標準本体2,008万円にオプション267万円を足していました。
下屋22万円も加えた2,297万円が、こちらの本体価格でした。
アイ工務店の初回見積書には、オプションという区分そのものがありませんでした。
オプションを含んだ本体価格と、含まない本体価格を並べて安いほうを選ぶと、判断を間違えます。
ここからは4列の表になります。詳しく見る方向けです。
| 項目 | アイ工務店 | タマホーム | ユニバーサルホーム |
|---|---|---|---|
| 付帯工事 | 208.9万円 | 121.0万円 | 475.0万円 |
| 屋外給排水 | 72.0万円 | 内訳の記載なし | 90.0万円 |
| 申請費 | 47.8万円 | 85.0万円(設計料を含む) | 100.0万円(設計料を含まない) |
| 設計料 | 64.1万円(別区分) | 申請費に含む | 記載なし |
| 管理費の呼び名 | 管理諸経費・安全管理費 66.5万円 | 該当項目なし | 品質管理費 187.0万円 |
| オプション | 区分なし | 215.0万円を本体に合算 | 267.0万円を本体に合算 |
| 外構 | 120.0万円(仮置き) | 410.0万円 | 記載なし |
| 延床面積 | 41.3坪 | 44.2坪 | 45坪 |
外構410万円を含んだタマホームの見積書
外構の扱いは、総額の見え方をいちばん大きく動かしました。
外構 = 駐車場・門まわり・フェンス・植栽など、建物の外の工事です。
タマホームの見積書では、外構410万円が「ご紹介工事」515万円という区分の中に入っていました。
アイ工務店は120万円で、こちらは仮置きの金額でした。
ユニバーサルホームの見積書には、外構の記載がありませんでした。
外構が入っていない見積書と、410万円を含んだ見積書を並べれば、後者が高く見えます。中身を見ないまま総額だけで比べると、そこで判断を誤ります。
消費税の扱いも揃っていませんでした。レオハウスだけが消費税210万円を1行として立てており、他社は税抜の金額が並んでいました。
1社ぶんの見積書に何がいくら乗るかは、本体工事費のほかに485万円かかった話に全項目を書いています。
2021年の見積書を今の相場に使えない理由
ここまでの金額は2021年後半のもので、いまの各社の価格ではありません。
理由は2つあります。工事費そのものが上がったことと、商品の中身が入れ替わったことです。
私が契約したアイ工務店は、2023年に断熱性能を上げた新商品へ切り替えています。標準仕様が変わっているため、当時の金額に上昇率を掛けても、いまの見積書にはなりません。
商品がどう変わったかはアイ工務店の新商品N-eesの変更点に書きました。
この記事で古びるのは実額です。「項目の切り方が会社ごとに違う」という構造のほうは、いまの見積書でも同じでした。
建設工事費デフレーターは4年で12.8%上昇
住宅の工事費は、2021年度と比べて12.8%上がりました。


建設工事費デフレーター = 工事にかかったお金を、年度をまたいで比べられるように国が作っている指数です。
国土交通省の「住宅総合」という系列は、2021年度に108.7でした。
それが2025年度には122.6になっています。
2020年度の平均を100とした指数です。
試算:122.6 ÷ 108.7 = 1.128(+12.8%)。木造住宅Wの系列では110.3から122.3で、+10.9%になります。出典は国土交通省「建設工事費デフレーター」時系列(年度別)2020年度基準/2026年8月9日取得。
実際に建てた人が払った金額は、これより大きく動いています。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査で、実際に建てた人の契約額を見てみます。
注文住宅の建設費の全国平均は、2021年度に3,569.7万円でした。
2025年度は4,259.8万円です。
690.1万円の増加になります。
同じ期間に、住宅面積の全国平均は123.8㎡から118.4㎡になりました。
5.4㎡ぶん小さくなっています。
家は小さくなったのに、建設費は上がりました。
フラット35利用者調査の「建設費」には、設計費・工事監理費・屋外附帯工事費などが含まれると機構が定義しています。営業が言う「本体工事費」より範囲が広いため、この平均額と我が家の見積書の金額を直接比較して、倍率や差を語ることはできません。変化の向きと大きさを見るために使っています。出典は住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2021年度集計表および2025年度集計表の主要指標(注文住宅・全国)/2026年8月9日取得。
この3社の記録から言えないこと
ここから先は注記なので、急ぐ方は次の見出しまで飛ばして構いません。
- 1世帯の記録です。私が受け取った見積書の話であり、各社の標準的な出し方だとは言えません。担当者が違えば書式も変わります
- 見積書の段階が揃っていません。アイ工務店は初回見積書、タマホームとユニバーサルホームは3回前後の打ち合わせを経た見積書です。総額どうしの引き算はできません
- 金額は2021年後半のものです。工事費の上昇と商品の入れ替えがあるため、いまの各社の価格とは違います
- 間取りも面積も一致していません。各社に同じ要望を伝えましたが、提案された延床面積は41.3坪から45坪まで散らばりました
- 項目の中身が分からないものがあります。ユニバーサルホームの「品質管理費」187.0万円と、タマホームの「その他費用」236.0万円は、見積書に内訳が書かれていませんでした
- トヨタホームとレオハウスの内訳は含めていません。付帯工事の区分ごとの金額が手元の記録に残っていないためです
タマホームの見積書は、記載されている区分を足し上げた金額と、書かれていた総合計が一致しませんでした。差の内訳が分からないため、この記事では総合計を使わず、区分ごとの金額だけを扱っています。
見積書をもらったら並べ直す3列
私は最後まで、自分で表を作り直す以外の方法を見つけられませんでした。
- 会社名・項目名・金額の3列に、見積書の全行を写す。区分をまたいで同じ役割の項目が拾えるようになります。私の場合、申請費が2社で別の区分に入っていることに気づけたのはここでした
- どの会社にも無い項目に印を付ける。1社にしか無い項目は、含まれていないのか、後から乗るのかを聞きます。外構と地盤改良がここに当たりました
- 本体価格にオプションが入っているかを、必ず口頭で確認する。書式からは読み取れませんでした。タマホームとユニバーサルホームは足した金額、アイ工務店は区分そのものがありませんでした
この作業を減らす方法があるとすれば、最初から同じ条件を伝えて複数社に出してもらうことだと思います。
私は1社ずつ別々に依頼したため、書式も段階もばらばらになりました。
見積書の比較でよくある質問
- 付帯工事費はいくらが相場ですか
-
我が家が受け取った3社の見積書では、121.0万円・208.9万円・475.0万円でした。1世帯の記録なので相場とは言えません。金額の幅よりも、その袋に何が入っているかを確認するほうが先だと考えています。
- 総額が安い会社を選べばよいですか
-
総額だけでは決められませんでした。外構が入っている見積書と入っていない見積書があり、オプションを本体価格に足している会社と足していない会社がありました。含まれるものを揃えてから比べる必要があります。
- 申請費が100万円は高いですか
-
我が家の場合、設計料を含まない申請費はアイ工務店47.8万円、ユニバーサルホーム100万円でした。2社ぶんの記録なので高い安いは断定できませんが、他社の金額を持っていれば説明を求める材料になります。
- 2021年の見積書は今も参考になりますか
-
金額そのものは参考程度に読んでください。建設工事費デフレーターの住宅総合は2021年度から2025年度で12.8%上がり、商品の中身も入れ替わっています。項目の切り方が会社ごとに違うという構造のほうは、いまも変わりません。
- 見積書は何社から取ればよいですか
-
公的な統計に該当する設問がないため、正解の社数は示せません。我が家は7社から受け取り、3回以上打ち合わせたのは5社でした。項目を揃える手間を考えると、深く進める会社を絞るほうが現実的だと思います。


3社の見積書を並べた結果のまとめ
並べて分かったのは、金額の差ではなく項目の切り方の差でした。
- 付帯工事は121.0万円・208.9万円・475.0万円で、3社に共通する項目は屋外給排水だけだった
- 設計料を含まない申請費は、アイ工務店47.8万円に対しユニバーサルホーム100万円だった
- 管理費にあたる項目は3社とも呼び名が違い、タマホームには該当項目が無かった
- タマホームとユニバーサルホームはオプションを本体価格に足していた
- 金額は2021年後半のもので、住宅の工事費はその後4年で12.8%上がっている
見積書は、もらった形のままでは比べられませんでした。同じ条件で出してもらうところまで戻れるなら、そのほうが早いと思います。




出典一覧
- 見積書の金額はすべて、我が家が2021年後半に受け取ったもの。出所は rocoz.jp の アイ工務店・タマホーム・ユニバーサルホーム・レオハウスの各記事
- 国土交通省「建設工事費デフレーター」時系列(年度別)2020年度基準(2020年度平均=100)。住宅総合および木造住宅W。2023年度以降は暫定値
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2021年度集計表および2025年度集計表の主要指標(注文住宅・全国)。建設費と住宅面積
- 統計データの取得日は2026年8月9日、記事の作成日は2026年8月9日
