新築の不動産取得税として納めたのは1〜2万円でした。軽減の申告書は、自分で調べて県税事務所に出しています。
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家が建ち終わって、引っ越しも済んで、しばらく経ってから届くのが不動産取得税の納税通知書です。
家を手に入れたときにかかる税金なのに、払うのは住み始めたあとになります。金額の見当がつかないまま待つことになりました。
我が家が納めたのは1〜2万円です。
この記事は、その金額がどこから出てきたのかを条文までさかのぼって確かめた記録です。うまくやる方法ではなく、実際に届いた額と、そこに至る仕組みの話をします。

納めた不動産取得税は1〜2万円
納税通知書は届き、納めた額は1〜2万円でした。
不動産取得税は、土地や家屋を手に入れたときに一度だけかかる都道府県の税金です。毎年かかる固定資産税とは別のものになります。
軽減を受けるための手続きは、通知書が届く前に自分で済ませていました。その状態で届いた金額が1〜2万円だったということです。
ロコズ正直、封筒を開けるまでは十万円単位を想像していました。
金額は記憶にもとづく概算です。納付書の控えが手元に残っていないため、この記事では「1〜2万円」という幅のまま書きます。1円単位の正確な額ではありません。
建物分が0円になった評価額1,150万円
我が家の家屋の評価額は、控除の枠より小さい金額でした。
不動産取得税は、買った値段にかかるのではありません。かかるのは「取得したときの価格」で、これは固定資産課税台帳に登録された評価額のことです。
我が家の家屋の評価額はおよそ1,140〜1,150万円でした。木造・延床164平方メートルの家です。評価額は、家屋調査のあとに届いた課税明細書に載っていました。
評価額はハウスメーカーに支払った金額よりも大幅に低い金額です。


控除は1,200万円、認定長期優良は1,300万円
新築の住宅には、価格から一定額を差し引く決まりがあります。
地方税法の第73条の14第1項には、住宅を新築した場合は一戸につき1,200万円を価格から控除する、と書かれています。
さらに同じ法律の附則第11条第8項で、認定長期優良住宅はこの1,200万円が1,300万円に読み替えられます。我が家は長期優良住宅の認定を取っているので、こちらに当たります。




税率は3%です。本来は4%ですが、住宅と土地については引き下げられています。
根拠は、地方税法第73条の15と、同じ法律の附則第11条の2第1項です。
評価額から控除額を引くと、残りはマイナスになります。マイナスに税率をかけることはできないので、課税される部分がありません。
つまり我が家の場合、家屋にかかる不動産取得税は0円ということになります。
一般住宅の1,200万円でも0円だった
認定長期優良住宅で増えた100万円は、我が家では働いていません。
評価額はおよそ1,140〜1,150万円でした。認定長期優良住宅の1,300万円に収まるのは当然として、一般住宅の1,200万円の控除でも収まっています。
長期優良の認定を取ったことで控除は100万円増えました。ところがその100万円は、不動産取得税に関しては1円も効いていないことになります。
これは私の考察です。固定資産税では「広い家ほど軽減の恩恵が薄くなる」という話を書きました。不動産取得税では、ちょうどその裏返しが起きていたことになります。評価額が控除の枠に収まってしまうと、枠を広げてもそれ以上は安くならないからです。
もっとも、長期優良の認定そのものが無駄だったという話ではありません。固定資産税のほうでは、新築から5年度分の減額という別の形で効いています。
残った1〜2万円は土地分という推定
家屋が0円なので、納めた分は土地にかかったものと考えられます。
納税通知書に土地と家屋が分けて書かれていたかどうかを、私は覚えていません。ここから先は「家屋が計算上0円になる以上、残りは土地分だろう」という推定です。断定はできません。
土地にも軽減があります。宅地の場合、課税の対象になるのは評価額の2分の1です。これは地方税法の附則第11条の5に定められています。
そのうえで、税額そのものからも差し引きがあります。地方税法第73条の24第1項によると、差し引かれるのは次の2つのうち大きいほうです。
- 150万円に税率をかけた額(税率3%なら45,000円)
- 土地1平方メートルあたりの価格に、住宅の床面積の2倍をかけ、そこに税率をかけた額
問題は2つめのほうです。条文には、床面積の2倍が200平方メートルを超えるときは200とする、と書かれています。
我が家の延床は164平方メートルなので、2倍は328平方メートルになります。ところが200平方メートルで頭打ちです。
土地の広さが200平方メートルの枠に収まっていれば、土地の税額もほぼ消えます。枠を超えた分があると、そこに税金が残る仕組みです。
土地の面積と評価額は、この記事には書きません。納めた額から逆算すれば推定できてしまう数字なので、あえて出さないことにしました。書けるのは「200平方メートルという頭打ちがある」という仕組みまでです。
県税事務所へ自分で出した軽減の申告
軽減の申告書は、自分で調べて県税事務所に提出しました。
やり方は、インターネットで調べています。ハウスメーカーからも司法書士からも、この手続きの案内はありませんでした。
登記は司法書士に頼みましたが、それとこれとは別の手続きです。誰も代わりにやってくれないまま、自分で動くことになりました。
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調べていなかったら、そのまま何もせずに通知書を待っていたと思います。
家に関する手続きを自分でやったのは、これが初めてではありません。住宅ローン控除の初回申告も自分でやって、そちらでは税務署から2回連絡が来ました。


申告不要の神奈川県と必須の富山県
同じ法律なのに、申告が要る県と要らない県があります。
調べていて驚いたのがここです。都道府県の案内を並べると、書いてあることが正反対でした。
| 項目 | 神奈川県 | 富山県 |
|---|---|---|
| 軽減を受けるための申告 | 令和5年4月1日以降の取得は、登記申請をしていれば不要 | 申告がないと軽減措置を受けられない |
| 床面積の下限(一戸建て) | 40平方メートル(令和8年3月31日までの取得は50平方メートル) | 50平方メートル(令和8年4月1日以降は40平方メートル) |
どちらかが間違っているわけではありません。条文が両方を許しているからです。
地方税法第73条の14の第4項には、こう書かれています。
当該住宅の取得者から、当該道府県の条例で定めるところにより、当該住宅の取得につきこれらの規定の適用があるべき旨の申告がなされた場合に限り適用する
ここだけ読むと、申告しなければ控除は受けられません。ところが、すぐ次の第5項が続きます。
道府県は、前項前段又は同項後段の申告がなかつた場合においても、当該住宅の取得が第一項又は第三項に規定する要件に該当すると認められるときは、前項の規定にかかわらず、第一項又は第三項の規定を適用することができる
申告がなくても県の判断で軽減してよい、という逃げ道が用意されているわけです。この2つの項があるから、県によって運用が割れます。
登記の情報から新築を把握して自動で軽減する県もあれば、申告を求める県もある。どちらも法律の範囲内ということになります。
結局のところ、自分の県の案内を読むしかありません。我が家は申告が必要な状況だったので自分で出しましたが、これは全国共通の答えにはならないと考えています。
令和9年と令和13年で異なる3つの期限
軽減には期限が3つあり、それぞれ切れる時期が違います。
| 軽減の内容 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 税率を4%から3%に下げる | 令和9年3月31日 | 地方税法 附則第11条の2第1項 |
| 宅地の課税標準を2分の1にする | 令和9年3月31日 | 地方税法 附則第11条の5 |
| 認定長期優良住宅の控除を1,300万円にする | 令和13年3月31日 | 地方税法 附則第11条第8項 |
3つのうち2つは2027年3月に期限を迎えます。延長されるかどうかは、その時期の税制改正を見ないと分かりません。
認定長期優良住宅の控除の期限を「令和11年3月31日」と書いた情報を見かけます。条文では、その日付が置かれているのは同じ附則第11条でも第7項で、都市再生特別措置法の認定事業に関する別の規定でした。認定長期優良住宅は第8項です。
床面積の要件も変わっています。地方税法施行令第37条の16では、40平方メートル以上240平方メートル以下とされています。
ただし下限の40平方メートルが適用されるのは、令和8年4月1日以降に取得した場合です。
我が家が取得した時点では、一戸建ての下限は50平方メートルでした。延床164平方メートルなのでどちらでも要件は満たしますが、狭小住宅では結論が変わります。
期限つきの制度に振り回されるのは、補助金のときにも経験しました。


我が家1棟の記録にとどまる限界
ここに書いたのは、我が家1棟で起きたことです。
急ぐ方は次の見出しまで飛ばしてください。以下は、確認できていないことの一覧です。
- 納めた額は概算です。納付書の控えが手元にないため「1〜2万円」という幅で書いています
- 土地分と家屋分の内訳は分かっていません。家屋が0円になるのは評価額と控除額からの計算で、通知書の記載を確認したものではありません
- 土地の面積と評価額は書いていません。納めた額から逆算できてしまうためです
- 通知書が届いた時期も覚えていません。富山県は翌年の7月以降に送ると案内していますが、これは同県の説明であって我が家の記録ではありません
- 都道府県名は書いていません。申告の要否は県によって違うので、この記事の手続きをそのまま当てはめないでください
- 私は税理士ではありません。制度の適用や申告の要否は、所轄の県税事務所に確認してください
- 条文は2026年9月1日にe-Gov法令検索で確認したものです。税制は毎年変わるので、取得した年の内容を見てください
家が建ったあとに出ていくお金は、税金だけではありませんでした。外構では見積もりの2倍以上が実際に出ています。


不動産取得税のよくある質問
- 新築の不動産取得税はいくらかかりますか
-
我が家が納めたのは1〜2万円でした。家屋については、地方税法で価格から1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を控除すると定められています。評価額がこの控除額より小さければ、家屋にかかる税額は0円になります。金額は評価額しだいなので、一律には決まりません。
- 不動産取得税の軽減に申告は必要ですか
-
県によって違います。地方税法第73条の14第4項は「申告がなされた場合に限り適用する」と定めていますが、続く第5項で、申告がなくても県が要件に該当すると認めれば適用できるとされています。神奈川県は登記申請をしていれば申告不要と案内し、富山県は申告がないと軽減を受けられないと案内しています。我が家は自分で県税事務所に提出しました。
- 認定長期優良住宅だと不動産取得税は安くなりますか
-
控除額が1,200万円から1,300万円に増えます。ただし評価額がもともと1,200万円を下回っていれば、増えた100万円は効きません。我が家の家屋の評価額はおよそ1,140〜1,150万円だったため、一般住宅の控除でも0円になる状態でした。
- 不動産取得税の納税通知書はいつ届きますか
-
都道府県によって案内が異なります。富山県は、家屋を新築や増築などにより取得した場合は翌年の7月以降に納税通知書を送ると説明しています。我が家に届いた時期は記録が残っておらず、書けません。時期は取得した県の案内を確認してください。
新築の不動産取得税のまとめ
納めたのは1〜2万円で、家屋の分は計算上0円でした。
- 家屋の評価額はおよそ1,140〜1,150万円で、控除額を下回っていた
- 控除は一般住宅で1,200万円、認定長期優良住宅で1,300万円
- 我が家は一般住宅の控除でも0円になるため、認定で増えた100万円は効いていない
- 土地の減額は床面積の2倍が200平方メートルで頭打ちになる
- 軽減の申告が要るかどうかは県で違う。条文が両方の運用を許している
- 税率3%と宅地2分の1の期限は令和9年3月31日、認定長期優良の1,300万円は令和13年3月31日
調べる前は、後から来る税金というだけで身構えていました。実際に条文まで見て分かったのは、金額を決めているのは評価額と控除額の引き算だけだということです。
そして、その引き算を始めてもらうために申告が要るかどうかは、住んでいる県で変わります。まず自分の県の案内を開くところからだと思います。
出典一覧
- e-Gov法令検索 地方税法(昭和25年法律第226号)(第73条の14/第73条の15/第73条の24/附則第11条/附則第11条の2/附則第11条の5)
- e-Gov法令検索 地方税法施行令(昭和25年政令第245号)(第37条の16)
- 神奈川県 新築の場合の軽減措置
- 富山県 不動産取得税
- 国土交通省 住宅:不動産取得税に係る特例措置
- 取得日:いずれも2026年9月1日
