私は他社の見積書を営業に見せていません。口頭で「7社を比較中です」と言っただけです。
この記事は約9分で読めます。
相見積もりを取ると、必ずこの迷いが出てきます。
他社にも見積もりを頼んでいることを、営業に言っていいのか。言えば値引きしてくれるのか、それとも失礼にあたるのか。
調べると「マナー違反」「金額感を口頭で伝える程度に」といった記事が並びます。ただ、実際にやった人がどうなったのかは、あまり出てきません。
私は2021年に、7社から見積もりを受け取りました。
契約したのは1社です。残りの会社に何をどう伝えたのかを書きます。
- 他社の見積書を見せたかどうか
- 実際に口に出した一言
- 伝える手間が要らなかった理由
- 5社の値引き額が0円から400万円まで開いたこと
- 国の調査で「価格が適切」を選んだ人の割合

相見積もりで他社の見積書は見せず
結論から書くと、紙は1枚も見せていません。
7社から見積もりを受け取りましたが、そのうちの1社の書類を、別の会社の営業に開いて見せたことはありません。
理由は、駆け引きが得意ではなかったからです。金額の書かれた紙を出した瞬間、話が「その額より下げられるか」だけになる気がしました。
| やったこと | 我が家 |
|---|---|
| 他社の見積書を見せる | していない |
| 他社の金額を口頭で言う | していない |
| 比較中であることを伝える | 伝えた |
| 他社より安い額を作り話で出す | していない |
やったのは3行目だけです。それも、こちらから切り出したというより、話の流れで出た程度でした。
ロコズ紙を見せて値切る、という場面は一度も起きませんでした。
口頭で伝えたのは「7社を比較中」だけ
言葉にして伝えたのは、社数だけです。
タマホームの打ち合わせでは、こちらから値引きの話を切り出す前に、比較している事実だけを口にしました。
-150x150.jpg)
-150x150.jpg)
-150x150.jpg)
7社を比較中なんですが、タマホームさんて値引きはどのくらいされるんですか?
金額は言っていません。会社名も出していません。「複数社を見ている」という事実だけです。
このやり取りの詳細は最高に安い条件をタマホームから引き出す方法に残しています。
アイ工務店では、もう少し踏み込みました。競合他社の存在を匂わせながら交渉を進めています。
それでも、出したのは言葉だけでした。
私の考察です。紙を見せなくても交渉が成立したのは、営業が金額の相場を知っているからだと思います。こちらが「比較している」と言えば、相手は自社の位置をだいたい把握できます。証拠を突きつける必要は、そもそもなかったのかもしれません。


一括紹介サービスで伝える前に伝わる
そもそも、伝えるかどうかで悩む必要がありませんでした。
私は一括紹介サービスを使って会社を比較していました。この入り方をすると、各社は最初から「この人は他社にも声をかけている」と分かった状態で来ます。
切り出すタイミングを計る場面が、最初から存在しないわけです。
| 入り方 | 比較中であることは | 切り出す手間 |
|---|---|---|
| 展示場を1社ずつ回る | 言わないと伝わらない | 自分で切り出す |
| 一括紹介サービスから入る | 最初から前提になっている | 不要 |
私の推察です。他社も初めから比較していることを各社が意識していたぶん、値引きを引き出しやすかったのだと思っています。ただし、同じ条件で入り方だけを変えて試したわけではないので、これは効果を実証したものではありません。
値引きは0円から400万円までの幅
同じように伝えても、返ってくる額はまったく違いました。
3回以上の打ち合わせまで進んだ会社のうち、金額が手元に残っている4社です。同じ時期に、同じ希望を伝えて、同じように打ち合わせた結果になります。
| 会社 | 値引き額 |
|---|---|
| トヨタホーム | 400万円 |
| ユニバーサルホーム | 200万円 |
| アイ工務店(契約) | 特別値引き110万円 |
| レオハウス | 0円 |
上と下で400万円の開きがあります。
社数と全体像はハウスメーカーは何社まわる?7社見て比較に効いたのは5社にまとめました。
トヨタホームの400万円には、私の勤務先が提携企業だったことによる減額150万円が含まれています。誰でも受けられるものではありません。「交渉すれば同じだけ下がる」とは読まないでください。


アイ工務店の110万円は、契約時に引き出した特別値引きです。決算キャンペーンぶんを別に含めた総額の経緯はアイ工務店と契約までの見積りと坪単価の変化に書いています。
伝え方より会社の方針で決まった部分
値引き額の差は、私の話し方では説明がつきません。
レオハウスは0円でした。粘らなかったわけではなく、引き出せませんでした。
タマホームでは、そもそも値引き交渉にほとんど力を入れていません。最初の打ち合わせで、値引き幅がはじめから小さいことが分かったからです。
元から価格を絞っている会社に、他社の名前を出しても動く余地がありませんでした。
- 値引きの幅は、会社ごとにあらかじめ決まっている
- 提携や紹介など、交渉と関係のない減額が混ざる
- 伝え方が効くのは、その枠の内側だけ
相見積もりを「値切る道具」として構えていると、この3点を見落とします。私は高いか安いかを判断するために取っていました。
選択理由の1位は価格ではなく信頼53.1%
国の調査でも、価格は決め手の1位ではありません。


注文住宅を建てた世帯が選んだ理由の最多は「信頼できる住宅メーカーだったから」で53.1%でした。
いっぽう「価格が適切だったから」は21.2%にとどまりました。
出典は国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」の問4 住宅の選択理由(複数回答・全国)です。
回収数は735件、調査期間は令和7年9月1日から12月9日でした。
-150x150.jpg)
-150x150.jpg)
-150x150.jpg)
値引き交渉に一番の力を注いでいた自分に、これを先に見せたかったです。
ここは注記です。急ぐ方は次の見出しまで飛ばしてください。
【試算】報告書は標本誤差の算出式を ±1.96×√(P(1−P)/n) と示しています。n=735 で計算すると、53.1%は±約3.6ポイント、21.2%は±約3.0ポイントです(信頼区間95%)。誤差を見込んでも、53.1%の下限49.5%と21.2%の上限24.2%は重なりません。この差は誤差では説明がつかない、と考えています。なお複数回答なので、合計は100%になりません。
我が家1件の記録から言えないこと
この記事で確かめられていないことを、先に書いておきます。
- 見せた場合との比較ができていない。見積書を見せていたらどうなったかは、試していないので分かりません
- 入り方の効果を実証していない。一括紹介サービスを使わなかった場合と比べたわけではありません
- 金額は2021年のもの。その後の相場変動は反映していません
- 担当者による差を分けられない。会社の方針か個人の裁量かは、外からは見えません
他社の見積書を見せることが法律上どう扱われるかについても、この記事では述べません。私は法律の専門家ではないためです。
書けるのは、我が家1件で実際に何をして何が起きたか、それだけです。
相見積もりについてよくある質問
- 相見積もりを取っていることは、営業に伝えるべきですか
-
私は伝えました。ただし社数を言っただけで、金額も会社名も出していません。一括紹介サービスから入った場合は、伝える前から各社が前提にしています。
- 他社の見積書を見せてもいいですか
-
我が家は見せていません。紙を出さなくても値引きの提示を受けた会社はありました。見せた場合にどうなるかは試していないため分かりません。
- 相見積もりを取ると値引きは必ず出ますか
-
出ませんでした。我が家の場合、レオハウスは0円です。値引きの幅は会社ごとにあらかじめ決まっている部分が大きいと感じています。
- 相見積もりを取ると、断るのが大変ではありませんか
-
我が家は6社をメールで断り、引き止められた会社は0社でした。追加の値引きを出されることもありませんでした。


これから相見積もりを取る人への3つのすすめ
7社を回り終えて、順番はこうすればよかったと思っています。
- 紙は見せず、社数だけ言う。金額を出すと、話が値引き幅だけになります
- 値切るためではなく、判断するために取る。1社目が高いか安いかは、1社では分かりません
- 最初から複数社が前提になる入り方にする。切り出すタイミングで悩まなくて済みます
受け取った見積書をどう並べるかは、また別の壁になります。同じ名前の項目でも中身が違うためです。


私が7社に伝えたのは、値引きしてほしいという要求ではありませんでした。比較していますという事実だけです。
出典一覧
- 国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」(令和8年7月公表)問4 住宅の選択理由(複数回答)注文住宅取得世帯・全国/回収数735件・調査期間 令和7年9月1日〜12月9日(mlit.go.jp)
- 標本誤差の算出式は同報告書「1.3 調査の方法(2)報告者数等(注1)」による
- 統計は2026年8月8日 取得。我が家の金額は2021年の見積書と、既存記事に公開している記録によるものです
